2023/9/27
★砂丘の植物
海岸は、波しぶきや強風など
海の影響を強く受け、
土壌が未発達で乾燥するため
植物にとってきびしい環境です。
この様な環境に生育する
植物を海岸植物とよばれ、
これらは草丈が低い割に
花が大きい、葉が厚い、
しばしば多肉質や毛に覆われる
などの形態的な特徴を
持つ種があります。
今回、石川県加賀市にある
塩屋海岸で、砂丘に生育する
植物を観察しました。
駐車場から海岸へ出るために
大きな砂の山を乗り越えます。
その砂山のてっぺんに立つと、
のびのびと海浜植物が生育する
夢の様な景観が広がっていました。
砂丘の陸側から(これを乗り越えて海に出ます)

砂丘の上からの景観

砂浜の植物群落

ここでは、日本海側固有の
初めて見る植物を含め
辺り一面に珍しい植物ばかり、
どの植物も人の影響を受けずに
健やかに生育をしている印象でした。
カワラヨモギ

ハマベノギク(北陸~九州北部海岸の固有種)

ネコノシタ

ハマニガナ

ハマボウフウ(枯れて落果した種子)

ハマゴウ

ウンラン

カワラケツメイ

スナビキソウと思われる

アナマスミレと思われる

コウボウムギ

カモノハシ属の一種

体色が砂粒にそっくりなバッタの一種

駐車場の看板

参考文献 「日本野生植物館」海岸の植物(奥田他,1997)小学館
2023/9/20
★期間展示スタート
博物館では、9月19日から
二つの期間展示を始めました。
「長崎県対馬の在来馬」と
「牧野富太郎関連展示」です。
長崎県対馬の在来馬展示の
きっかけは、本学部卒業生の
獣医師で対馬市の島おこし協働隊
でもある吉原さんの活動です。
吉原さんは、昨年開館した
対馬博物館で「対州馬展」を
開催されていました。
当館の展示では、対馬市の
許可を戴いてパネルや写真を
使用させて戴いています。


牧野富太郎の展示のきっかけは、
本学図書館で行われている蔵書展示の
関連展示として企画をしたものです。
当館にも牧野富太郎標本が
103点あります。その中から
牧野富太郎が命名に関わった植物の
標本をいくつか展示しています。
また、牧野富太郎を師事し同じ時代に
活動した高橋新太郎の標本や
標本棚を紹介しています。


どちらも先日当館で行われた
博物館実習の受講生たちに
展示協力をしていただきました。
展示期間は10月の学部祭までの
予定となっています。
2023/9/13
★モズの高鳴き
秋になるとモズは、
餌の少なくなる冬期のための
採食なわばりをつくります。
雌雄とも単独で行動し、
樹冠など目立つ場所で
「キィーキィーキィーキィー」という
かん高い声でなわばりを主張します。
この行動は「モズの高鳴き」と
よばれます。
私は今年9/11に初めて、
藤沢市内の大庭遊水地で聞きました。
観察をしていたらペリットを
吐きました。
ペリットは、一部の鳥で見られる
未消化物を丸めて吐き出したものです。
当地は湿生草地の中にヤナギ類
などの低木が点在し、モズにとって
生息に適した環境です。
このため夏の間、繁殖をしていました。

モズはしばしば他の鳥の声をまねて、
つぶやく様に鳴くこともあります。
このため漢字で「百舌」(鳥)と
書かれることもあります。
モズの属名Laniusはと殺者や肉屋、
種小名bucephalusは牛頭を示します。
モズ科の仲間は肉食で小鳥や小動物を
襲って食べます。
このため嘴がタカと同様に
鋭く尖り曲がっています。
博物館のモズ

モズの嘴

2023/9/6
★博物館実習(1期)
日本大学生物資源科学部では
学芸員を志望する学生が多く
今年の4年生の館務実習生は
70名を大きく超えています。
全国の多くの館園の方々には
本実習について、毎年多大なる
ご協力を戴いております。
本当にどうもありがとうございます。
日大の博物館でも現在実習を
行っており、10名の実習生が
博物館の学芸業務を学んでいます。
秋にも同規模で実施予定です(2期)。
一年以上前に埋めた骨をクリーニング

タヌキの分離骨格

鳥の仮剥製を作っています

2023年8月 博物館便り
2023年7月 博物館便り
2023年6月 博物館便り
2023年5月 博物館便り
2023年4月 博物館便り
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